ギリシャ - サモス島について

サモス島（サモス）は、エーゲ海の東部、トルコ沿岸に位置するギリシャの島です。サモス島（サモス）はギリシャ神話の主神であるゼウスの正妻、女神ヘーラーが誕生した島とされており、彼女を祭った神殿遺跡などがあります。これらの神殿遺跡は、サモス島のピタゴリオとヘーラー神殿と呼ばれ、ユネスコの世界遺産にも登録されている有名なスポットです。古代ギリシャの哲学者であるエピクロスや数学者のピタゴラスが誕生した島としても知られています。サモス島（サモス）の気候は、ギリシャ本土と同様に地中海性気候です。したがって冬季は比較的温暖で一定の降雨もありますが、夏季は日差しが強く乾燥するという特徴があります。サモス島（サモス）の有名なランドマークは、やはりサモス島のピタゴリオとヘーラー神殿でしょう。これらは紀元前6世紀に栄えた都市国家サモスの当時の姿を伝える大切な遺跡群です。ピタゴリオは古代ギリシャ・ローマ時代の記念建造物群が残る要塞化された港で、もともとはティガニと呼ばれていました。歴史的に偉大な数学者であるピタゴラスを輩出した島であることから、ピタゴリオと呼ばれるようになったのです。ピタゴリオはかつての都市国家サモスの中心都市であったため、壮麗な宮殿跡が出土されました。さらに古代ギリシャで利用されていた地下水路も残っています。ヘーラー神殿は、ピタゴリオから西へ6kmの場所にある神殿の遺跡群です。サモス島（サモス）はギリシャ神話の女神ヘーラーが生まれた地とされており、古くからヘーラー信仰が行われてきました。ヘーラー神殿は、第1期から第4期まで段階的に建設されていたのが特徴です。第1期は紀元前750年まで遡ります。第1期の建造物は木の柱で囲んだような形の縦長の神殿でしたが、紀元前670年頃の水害で失われてしまいました。第2期は第1期が失われてからすぐに建設されたと言われています。以前の神殿より少し大きくなり、ギリシャ神殿特有の列柱廊を備えているのが特徴です。第3期は紀元前570年頃に建設されました。以前の神殿に比べて規模も遥かに上回り、初めて二重周柱式が採用されるなど建設史上でも重要でしたが、紀元前540年頃の戦火によって焼失しています。第4期は第3期の神殿が焼失してしまったこと受け、建設されたものです。前回に比べて、さらに大きな神殿を造ろうと計画されました。とても大規模な計画であった為、工事は250年にも及びましたが未完のまま終わっています。後にゲルマン人の侵攻によってその神殿は破壊されてしまい、現在は1本の円柱といくつかの遺跡が残っているのみです。ですが柱の大きさから考えてパルテノン神殿の4倍の大きさがあったものと考えられています。その柱を眺めながら、どんな神殿であったか思い浮かべるのも楽しいのではないでしょうか。古代ギリシャに思いを馳せることができるヘーラー神殿は、今もサモス島（サモス）の観光スポットとして人気を集めています。もちろん、ピタゴリオもおすすめの観光スポットの1つです。ピタゴリオは紀元前6世紀に栄えたサモス島の都として、アフロディーテの遺跡やローマ浴場跡、リュクルゴス・ロゴテティス要塞や古代劇場などがあり、多くの観光客で賑わいを見せています。その他のおすすめの観光スポットは、考古学博物館でしょう。考古学博物館は観光の中心街にあるサモス・タウンにあり、サモス・タウンの船着き場から歩いて15分ほどの距離です。考古学博物館には、サモス島（サモス）で発掘された遺跡が展示されています。展示されているものの中には、ヘーラー神殿から発掘された約5mの青年像や紀元前にサモス島出身の彫刻家が掘った大理石像の作品などがあるので、とても見応えがあるでしょう。この考古学博物館はヘーラー神殿を見学した後に立ち寄ると、より一層楽しめることで有名です。サモス島（サモス）にあるエフパリノスのトンネルは、かつて水道トンネルとして使われていました。高さ2m、全長1.4kmにも及ぶこのトンネルは、観光スポットとしても人気があります。このトンネルは15年かけて作られましたが、完成時に誤差が15cmしか誤差がなかったことからその技術の高さがわかるでしょう。サモス島（サモス）ではピタゴリオやサモス・タウンなどを中心にレンタサイクル店が多数存在しているので、自転車で島を観光できます。レンタサイクルは、公共交通機関が少ないサモス島（サモス）でおすすめの移動手段です。