ギリシャ - ミティリーニについて

ミティリーニはギリシャの北部、北エーゲ地方にある都市です。エーゲ海に浮かぶレスボス島の首都として機能しており、市域面積は107平方km・人口が約3万9,000人でギリシャ国内で4番目の規模となっています。ミティリーニは標高1,200mの山地に挟まれた低地に市街地が広がっており、ケッペンの気候区分では地中海性気候に属する地域です。そのため年間の平均気温は約21度比較的温暖で湿潤な気候になっています。5月から9月の夏は乾燥しており、最高気温は28度まで上がるものの湿気が少ない分、体感温度は低く感じられます。11月から2月の冬は標高が高い一帯では積雪がありますが、ミティリーニをはじめギリシャの首都アテネでは雪が降ることはなく、エーゲ海から暖かく乾いた空気が流れ込み気温が下がりにくいです。この気候特色からミティリーニの主要産業はオレンジ・レモン・オリーブの栽培という農業で、都市の南部では公営の大規模な果樹園が広がっています。オリーブ至ってはイタリアに次ぐ世界第2位の生産高を誇っていて、ギリシャを代表する名産品に位置付けられているほどです。ギリシャ全土で約620万トンの生産量になりますが、この約70％にあたる410万トンはミティリーニで収穫されているので、国内の経済基盤を支える重要な地域であるといえます。1990年代後半からは温暖な気候を生かした観光業にも力を入れていて、エーゲ海に面する一帯ではリゾート開発もなされています。ギリシャ国内でのミティリーニのGDPの伸び率は農業・観光業ともに上昇しており、都市開発も活発になされてる地域です。ミティリーニの主なランドマークは、「レスボス国際空港」「ヘーパイストス神殿」「オシオス・ルカス修道院」「オリンピア遺跡」「ケルキラ歴史地区」の5か所です。「レスボス国際空港」は1986年に開港した空港で、ギリシャぼ東の玄関口として機能しています。約3,000mの滑走路が2本備わっており、大型旅客機の離発着にも対応できるのが特徴です。建設された当初は国内線のみしかありませんでしたが、1990年後半のミティリーニ市内のリゾート開発に合わせて国際空港へと機能を拡大させました。現在はスペイン・フランス・イタリア・イギリスなどヨーロッパ諸国からの直行便と、首都アテネにあるアテネ国際空港と結ばれている国内線が1日28往復離発着しています。観光客が数多く利用しており、旅客ターミナルには宿泊施設も備わっています。「ヘーパイストス神殿」はミティリーニの北部、ポンペイスト山地にある紀元前8世紀頃に建設された神殿です。ギリシャ神話に登場するオリンポスの彫刻が神殿の上部に備わっており、柱や床は大理石で造られている豪華絢爛な建物なのが特徴です。1996年にユネスコ世界遺産に登録され、ミティリーニを代表するランドマークになっています。標高1,000mの位置にあり、ここからミティリーニの街やエーゲ海、遠くはアテネの市街地を眺められる景勝地です。「オシオス・ルカス修道院」は1500年代に建設された修道院で、ローマカトリック教会に属します。建物はルネサンス様式で、美しいステンドグラスとカメオと呼ばれる天使の彫刻が施されています。現在も修道女たちが暮らしている施設ですが、礼拝堂は一般にも開放されており自由に見学することが可能です。木々が生い茂る森の中にある修道院で、幻想的な雰囲気を体験することができます。「オリンピア遺跡」は200年から800年の間、ギリシャで栄えたヘレニズム文明の王宮があった場所です。1991年に世界文化遺産に指定され、ミティリーニを訪れる観光客は必ず立ち寄る場所になっています。ギリシャ神話の礎を作り出したヘレニズム文明であり、王宮の外壁には女神アテナ・海神ポセイドンなど神話に登場する神々の姿が描かれています。併設されてる資料館では、遺跡から出土した装飾品や歴代王のデスマスクなども展示されていて、英語・スペイン語・日本語の案内表示で見てまわることが可能です。ミティリーニの観光でおすすめの地域が「ケルキラ歴史地区」で、市の中心部になります。この地区には観光客向けの宿泊施設や商業施設が点在しており、観光拠点にするのにも非常に利便性が良い場所です。中世時代の佇まいを残した歴史地区でもあり、都市開発が進むミティリーニの中では静かで趣があるところになっています。