ギリシャ - ミコノス島について

ミコノス島は船旅で訪れた世界遺産の島です。その日はベタ凪で地中海は雲一つなく真っ青な空がまぶしくて期待感が盛り上がりました。気温は４月下旬で上着がいらない感じで心地良く風もなく穏やかな風景が目の前に広がっていました。大きなクルーズ船は接岸できないので海上からテンダーボートで上陸しました。地方の漁村のような小さな港が島の入り口で丘の上には白い風車が５基見えます。カトリミの風車と呼ばれています。そして海岸に面した四角い白い建物は発電所でした。街中は白い建物にカラフルな窓枠やドアが印象的です。ミニュチュアの街並みみたいな感じでそれはチョーラまたはホラと呼ばれています。車の入れない路は観光客があちこち覗きながら歩いています。足元は石畳で敷石の形と違う白いペンキの目地の線が適当に施されていて白い建物と調和する様に手入れされていました。その形状は住民によって違うみたいで大きなものから四角いもの丸いもの等結構個性的です。住居のドアは赤や青の原色が好まれているようで結構主張しています。ドアハンドルや取っ手が皆磨かれた真鍮製で個性的な形状でした。そんな地区を抜けると少し広い広場や教会なども姿を現し、青い空と白い石膏塗の建物がくっきりとしたコントラストで目に入ります。大きな車が入れないのでピアッジオの小さな３輪車が荷物を運んでいました。広場のオープンカフェで休んでいると大きなペリカンがじっとこちらを見ているのを発見。数羽が街中に住み着いているらしいが近寄っても知らんふりして動きません。たまに羽を広げたり大きな口嘴を開けたり自由に遊んでました。さらに歩みを進めると有名な＜パラポルティアニ教会＞のドームの先端にある鐘楼が見えました。ここも真っ白に石膏が塗られて廃墟のような外観に似合わないフレッシュさを感じる不思議な建物です。丘に向かう斜面に小さなホテルが並んでいて真っ青な水をたたえたプールが用意されていました。青い空と真っ白い建物、真っ青のプールにビーチチェアやパラソルも美しいこじんまりしたホテルが泊まり客を待っています。屋内も統一された内装でやはり白い壁と控えめなインテリア、オープンなカウンターがこの島らしい雰囲気を醸しています。プールサイドのデッキチェアから見下ろすと乗ってきた客船が少し沖にポツンと静かに停泊していて少し感動しました。風車の丘へ歩みを進めると誰かの住居となっているような雰囲気があり積石に白い石膏を塗った垣に青い小さな木製の扉、玄関まで続く石畳みの歩道、赤いドア、真鍮のノッカーなど御伽噺の家みたいなこじんまりした家が風車の塔の根元に設えてありました。大きな風車は回っていなかったけど今でも実用になっているんでしょうか。一気に海岸まで坂道を下ると海岸端に石積の歩道があり飲食店が軒を並べています。その街並みの雰囲気からリトルベニスと言うらしいですが、記憶にあるイメージのベニスの雰囲気を出している建物群です。店内より歩道側の席が圧倒的に多いです。欧州の人たちはオープンスペースでの飲食が好きみたいで、丁度昼時ということもあり多くのお客さんが賑やかに食事をしていました。定番はワインとムール貝。山のようなムール貝が大きな器に盛られてどんどん食べられていました。日本人には余りうけない貝ですが、その後スペインやマルタのレストランでもよく目にしたので結構好きな人が多いのだと思います。ここでもトイレを借用したけど客の数に比べて小さく狭いトイレでびっくり。こじんまりした建物やカラフルな建具歩道のペイント等住民の観光にかける意気込みが感じられて流石に世界遺産の町、全体的によく整備され清掃も行き届いていて快適な時間を過ごすことができました。近代設備である発電所も違和感なく風景に溶け込んでいて感心しました。自動車が入れない狭い街並みゆえに小さな商店飲食店がそれぞれ商売ができるのも好感度アップ。雨も余り降らないのか壁に雨染みが見当たらないのは住人の努力なんでしょう、真っ白い壁や歩道のペイントを維持するのは大変な作業だと感じました。新婚旅行など女性が好みそうメルヘンチックな世界が現物で体験できる安心の旅行先としてお勧めです。ミコノス島国民空港というエアポートもあるので、乗り継ぎでしたら飛行機での旅も可能ですがイタリア辺りからの地中海クルーズで訪問するのがお勧めです。サントリーニ島ともに人気スポットです。