デンマーク - オーフス（オルフス）について

オーフス（オルフス）は、ユトランド半島東部沿岸に位置するデンマーク中央ユラン地域の自治体であり、「世界で最も小さな大都会」をスローガンとした近代的な都市機能を持つデンマーク第2の都市です。オーフス（オルフス）は、ドルメン状の巨石群やバイキングの住居後などが発見されていることから8世紀後半にはバイキングによって要塞化された入植地が形成されていたとされています。近郊から泥炭の中で腐食を免れた紀元前3世紀頃の男性「グラウベールマン」が発見されていることから2,300年前には人類が定住していたとされる地域でもあります。オーフス（オルフス）のは、948年に司教座が置かれた事で急速に海上交易都市として発展してきた都市です。そのため、市街中心部には水夫の守護聖人である「聖クレメンス」を崇める「オーフス大聖堂」があり、「オーフス市庁舎」とともにオーフス（オルフス）のランドマークとなっています。オーフス市庁舎は、1853年まで「オーフス大聖堂」の前にありましたが、1984年まで現在の「デンマーク女性博物館」が2代目オーフス市庁舎でした。現在の3代目オーフス市庁舎は、ロドオウア市庁舎」や「グロストルプ市庁舎」を手掛けたモダン建築を代表するアーネ・ヤコブセンとイーレク・ムラの設計で1942年に建築され、ランドマークとなっている高さの60mの時計塔には長針が3mかつ直径7mの大きな時計が設置されています。この市庁舎は、4つの形状が異なる建築物が融合している外観よりも複雑な構造の市庁舎であり、館内は白を基調とした質を重要した内部装飾に対して組み木を用いた床面があたたかみを醸し出しているのが特徴的です。オーフス（オルフス）は、中世からユトランド全域の酪農製品や農産物が集積される地域であり、畜産業や農業の進行と活性化を象徴する豚の親子像が市庁舎前に設置されています。オーフス大聖堂は、1201年に建設された奥行93m×高さ96mのデンマーク国内で最も長く最も高い大聖堂ですが、現在の大聖堂はペアント・ノトケの設計で1479年に建設されたバロック様式となっています。オーフス大聖堂には、220平米にも及ぶデンマーク最大のフレスコ画や、世界最高のオルガン製作者とされるフロベニウスによって改修されたデンマーク最大のパイプオルガンが有名です。さらに、260トンの花崗岩に121人の人物を彫刻した「モノリッテン」を手掛けたノルウェーの彫刻家グスタヴ・ヴィーゲランのステンドグラスもデンマーク最大です。オーフス大聖堂は、ライトグリーンの角張った尖塔とダークブラウンの歴史を感じさせる煉瓦が織りなす無骨とも言える男性的な外観デザインが印象的であり、白を基調とした聖堂内には聖クレメンスに因む様に至る所に帆船が吊るされています。オーフスには、市庁舎や大聖堂などのランドマーク的史跡や旧跡だけでなく、デンマークの伝統的な文化や生活様式を継承するとともに今に伝える「デン・ガムレ・ビュ国立野外民族博物館」があります。デン・ガムレ・ビュ国立野外民族博物館は、中央駅から直線距離で約1kmと徒歩でも10分前後と近く、市街に設置されている無料レンタサイクルなら5分程度です。デン・ガムレ・ビュ国立野外民族博物館は、オーフス植物園南東側に併設されている施設であり、敷地内にはデンマーク各地方の一般的な農民家屋から市長宅まで幅広く集めた体験型博物館です。この野外博物館は、北西側から「1864年頃・1927年頃・1974年頃」の順番で年代ごとにエリアが分けられており、キャストが様々な演出も行なっているテーマパーク的要素が強いのも特徴です。1864年頃は、アンデルセン童話の作者ハンス・クリスチャン・アンデルセンが生きていた時代をメインに再現されていますが、1550年頃の建造物だけでなく2頭立て馬車の走行や職人を演じるキャストもいるので300年の変遷を一気に体験することができます。1927年頃の旧市街は、急激に産業革命が進んだことで一気に近代都市へと進化した様が見られ、1974年の旧市街では近代都市への進化の停滞と偵察室など冷戦時の社会主義国家の様子を体験できます。オーフス（オルフス）は、中央駅を中心に市街地が同心円状に広がっているので観光時の移動が短時間で済みますが、平坦な国土のデンマークの中では比較的高低差のある地域なので高台方面から徒歩や無料レンタルサイクリングで下りながらの観光がおすすめです。