ブルガリア - ヴァルナ(バルナ）について

ヴァルナ(バルナ）は首都ソフィアから470kmのブルガリア北東部にあるヴァルナ州に位置する、ブルガリア黒海沿岸で最大の都市です。ブルガリア国内では、首都ソフィア、プロヴディフにつぐ3番目に大きな都市で、バルカン半島では、イスタンブール、アテネ、ブカレストやソフィアなどについで11番目に大きな都市です。海港だけでなく、ブルガリア海軍の司令部や商船などの各拠点も置かれており、海上の首都と呼ばれています。また、ブルガリア最大の海辺のリゾート地としても有名で、ブルガリアの夏の首都とも呼ばれています。1949年から1956年にかけては、ヨシフ・スターリンの名にちなみ、スターリンという都市名でした。
先史時代のヴァルナ・ネクロポリスでは世界で最も古い金の遺物が発見され、先史時代における重要な遺物として世界的に知られています。ヴァルナ湾に位置するこの都市は、約3000年にわたって主要な経済、社会、文化の中心地でした。歴史的にオデソスとして知られるヴァルナは、トラキアの海辺の集落から黒海の主要な港まで成長しました。紀元後15年にオデソスはローマ帝国の一部となり、いまもヴァルナ中心部に残る2世紀後半に建築された公共浴場のテルマエは、ブルガリアでは最大のものとされ、ヨーロッパにおいても4番目に大きなものとして知られています。18世紀から19世紀にかけて、文化、商業の中心地となりました。現在もビジネス、交通、教育、観光、エンターテイメント、およびヘルスケアの重要な拠点となっています。
海洋性気候に区分されるものの湿潤大陸性気候の影響も大きく、特に秋冬にかけては大陸の影響を受け、内陸部より温暖で、他のブルガリアの都市に比べ過ごしやすい気候です。夏の平均気温は日中25度前後ととても過ごしやすく、夏季の海水の温度は23度前後で、5月の半ばから10月中旬にかけては世界中からとても多くの観光客がビーチを楽しみに訪れます。
世界35カ国、100都市とを結ぶヴァルナ国際空港、最新設備を備えたクルージングターミナルがあるヴァルナ港、国内各地への多くの鉄道が走っているヴァルナ駅、および国内主要都市や近隣国とを結ぶ多くの長距離バスも運行されているバスターミナルが市内に2つあり、公共交通機関でのアクセスが非常に便利な都市です。フェリーではウクライナやロシアなどへも行くことが出来ます。また、市内の各所を結ぶさまざまな種類のバスも運行されており、公共交通機関が充実している、観光のしやすい都市です。
ビーチで大変有名ですが、歴史豊かなヴァルナには遺跡や博物館、美術館もたくさんあり、数多くの見どころがあります。それらの中でも特に人気の観光名所をいくつかご紹介します。
・ヴァルナ考古学博物館
1888年に市立図書館の一部として設立されました。1892年から1898年にかけて著名な建築家ペトコ・モンチロフによって設計され設立された学校の建物の一部であった、ネオ・ルネサンス様式の歴史的な博物館です。1945年に国有財産に指定されました。ブルガリアで最大の博物館のひとつで、この地域の先史時代、トラキア、古代ギリシャ、古代ローマ時代、中世のブルガリアおよびビザンチン帝国時代の展示があります。1972年に発掘された、紀元前4600年から4200年ころのものと考えられている「ヴァルナの金」と呼ばれる世界最古の金の宝物は、3つの独立した展示ホールを占めており、この博物館で最も有名な展示であり、最大の目玉でもあります。博物館内にある中庭では、毎年恒例のヴァルナ・サマー・インターナショナル・ジャズ・フェスティバルも開催されます。
・ヴァルナ・ローマ公衆浴場
市内南東部に位置しているバルカン半島最大のヨーロッパでは4番目の規模を誇るローマ公衆浴場跡です。2世紀おわりにかけて建造され、3世紀後半まで約100年間使用されたとされています。
特に夏は有名リゾート地として多くの観光客がやってくるヴァルナには、多くのホテルがあります。ビーチを楽しみたい方は海沿いにあるホテルがおすすめで、夏季は大変人気があります。市内にも数多くのホテルがあり、公共交通機関が発達し観光がしやすい都市ですので、予算に合わせて宿泊施設を選ぶとよいでしょう。治安は悪くはありませんが、観光客の多い夏のビーチエリアや市内観光時は身の回りの持ち物に十分注意しましょう。