ボリビア多民族国 - サンタクルスについて

サンタクルスはボリビア多民族国中部に位置する地方都市で、首都ラパスに次いで国内第二位の規模を誇る大経済圏です。首都ラパスがアンデス山脈の高山地帯に位置しているのに対し、サンタクルスは海抜400m程度のアマゾン盆地に位置しており、地形・気候共に大きく異なっています。サンタクルスの住民は開放的で陽気な性格な人が多いと言われており、その性質の違いからラパスとサンタクルスの違いを「ボリビアの東京と大阪」と例えられることもあります。
ヨーロッパ人が到着する以前のこの地域の歴史は先住民が遊牧的な性質であったことと記述された記録を持たないために、よく分かっていません。しかし最近の発掘研究により現在の場所にアラワク族が居住していたことが分かりました。スペイン人植民者によって町として形成されたのは1561年のことで、当初は現在の位置よりも約200kmほど離れたところに町が置かれていました。
以後数度に渡り場所を移した後、16世紀後半にようやく現在の位置に町が定められることになります。当時ボリビアに数多く点在する小さな町の一つで、1825年にボリビアが独立を獲得した後もサンタクルスの町が注目されることはほとんどなく、現在のような都市化が顕著になったのは 20世紀半ばに行われた農業・土地改革が行われた後のことで、以来、非常に速いペースで開発が進んできました。こうした背景から、サンタクルスは世界の中でも最も急速に発展している地域の一つに数えられます。
サンタクルスはボリビアで最も人口が多く、ボリビアの国内総生産のほぼ35％を生産し、ボリビア国内でも最も多くの外資投資先になっています。国内からの移住者も多く、年々人口を増やし続けています。
サンタクルスは熱帯サバンナ気候に属しており、年間平均気温は25℃と温暖です。季節は明確に区別されていませんが、比較的大きな温度の変動が見られ、最も寒くなる7月には平均最低気温が15℃を下回ります。更に時折スラソと呼ばれる南風が吹き急激に気温が下がることもあります。

このサンタクルスの代表的な光景であるのが市街中心部に広がる9月24日広場で、その周辺に環状に広がる市街地には様々な名所が点在しています。その中からおすすめの観光スポットをいくつかご紹介します。
・サンタクルス大聖堂
9月24日広場内に建つ大聖堂で、サンタクルス観光では外すことができない定番スポットです。少し離れたところからでないと全体を一望できない程の大きさを持つ聖堂ですが、壁一面に広がる装飾は大変繊細で細かなデザインが施されており目を奪われます。内部も見学することができますが見学時間には制限があるため事前に確認が必要です。日曜日の朝には礼拝の様子を見ることもできます。
・グエンべ
グエンべは植物園やガーデン、プールやトレッキングトレイルなどを有する複合リゾート施設です。大変広い敷地を誇り、園内では様々なアクティビティを楽しむことができます。レストランやドリンクバー、ホテルなども併設されているため、一日中滞在しても飽きることのないレジャースポットになっており観光客からも人気を集めています。
・チキタニア教会
こちらはサンタクルスにあるイエズス教会の一つで、木材を使用して建設されているのが特徴の歴史的建造物で世界遺産にも登録されています。サンタクルスは17世紀終わり頃から18世紀半ばまでイエズス会の布教活動の拠点となっていた歴史があり、チキタニア教会はその活動の歴史を表す貴重な史料の一つになっています。

サンタクルス市街は中心部から北側のエリアが最も治安が良いと言われており、観光客の滞在先としても人気のあるエリアです。比較的安価なゲストハウスやリゾートホテルなどが点在しており、近隣にはレストランやカフェも揃っているため、滞在に不便を感じることはほとんどありません。空港から市内は20kmほど離れており、両者間はミクロと呼ばれるローカルバスが運行されていますが終着のバス停付近は大変混雑し市街中心部からは少し離れているため、サンタクルス発着時にはタクシー利用が最も便利です。
サンタクルスは南米の他都市と比べ比較的治安が良いとされていますが、観光客を狙ったスリやひったくりは横行しています。持ち物の管理には十分気を付け、旅行中は安全が確認できないエリアにむやみに立ち入らないようにするなど十分な注意が必要です。