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平和の地と名付けられた海の要衝「ダルエスサラーム」

ケニアの南に位置するタンザニアの旧首都ダルエスサラーム。アラビア語で「平和の地」という意味があるこの静かな湾口の町は、沖合に浮かぶザンジバル島とともにアフリカ東海岸航路の重要な拠点として発展しました。市北部の岬に囲まれたムササニ湾には、ヨットハーバーやビーチなどのリゾート施設も充実。港から定期船でザンジバル島に足を伸ばせば、世界遺産のストーン・タウンや白砂の浜辺なども巡れますよ。ダルエスサラームと合わせてイスラームのスルタン王朝からイギリスの植民地支配に至る歴史と町並みの移り変わりが感じ取れるでしょう。

ダルエスサラームの歴史

1860年代に、オマーンから分離・独立したザンジバル島のザンジバル・スルタン国によって、アフリカ本土の拠点として建設されました。19世紀末にドイツが進出すると、ドイツ領東アフリカの首都として発展。1965年にタンザニア共和国が成立すると、ダルエスサラームはその首都となりました。1996年には、法律上の首都がドドマに遷されましたが、実質的な首都機能の多くは未だにダルエスサラームに残っています。

ダルエスサラームの経済

タンザニアの経済の中心地であり、多くの国内企業や金融機関が工場や店舗を構えています。とくに、中央銀行であるタンザニア銀行の本部ビルは、ダルエスサラームの近代面を代表する建造物です。また、アフリカ東海岸の重要な港湾都市でもあり、ダルエスサラーム港はタンザニアの物流を担う輸出入港として、さらにモノだけでなくヒトの往来という面で大きな役割を果たしています。