チェコ - カルロヴィ・ヴァリについて

カルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）はチェコの西部に位置する都市です。夏は快適に過ごせますが、冬は凍えるほどの寒さと乾燥、そして冷たい強い風が吹き付ける気候になり、冬の期間はほぼ曇りの日が長く続き、1年の気温変化はマイナス4度から23度に変動します。それでもマイナス12度未満になることや29度を超える事はほとんどありません。観光に適した季節は体感温度が18度から27度になる、6月下旬から8月下旬です。11月中旬から3月中旬までの冬の期間は非常に寒く、3月下旬から4月中旬までが寒くなり、4月下旬から5月下旬になると涼しい季節となります。5月下旬から9月初旬はカルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）を散策するのに快適な季節ですが、この期間を過ぎて9月中旬には涼しくなり、10月から11月初旬は寒くなります。暖かいと感じるのは5月下旬から9月初旬の3.4ヶ月間で1日の平均最高気温は19度を超え、1年で最も暑いのは8月初旬の最高気温23度・最低気温13度です。寒い季節は11月中旬から3月初旬の3.1ヶ月間あり、1日の平均気温は5度未満、1年で最も寒い時期は2月初旬の平均最低気温がマイナス4度・最高気温2度です。晴れる日が多いのは4月から10月初旬までで、曇りが多くなるのが10月から翌年の春まで6.1ヶ月間続き、本曇りか曇りの確立が70%、晴れの確立は3%ほどしかありません。5月から9月は雨が多い季節に入ります。カルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）の街のランドマークといえるのが、「コロナーダ」と呼ばれる温泉飲用施設でしょう。カルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）はチェコでも世界的に有名な温泉街で、交通機関が整えられてから近隣の国々から、ベートヴェンやショパン、ゴーゴリ、ゲーテ、シラーなど著名な人々が滞在しました。温泉はカルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）山脈を水源とした鉱泉（43度から73度）で、飲用と浴用に利用されています。この温泉は14世紀にボヘミア王であり、後に神聖ローマ皇帝になったカール4世が偶然に発見したとされ、街の名前もカール4世にちなんだものです。街はテプラー川の谷に沿って温泉街が延びており、北の外れにある駅から川をさかのぼりながら温泉を見学・飲用することができ、飲用施設の「ヴジーデルニ・コロナーダ」はカルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）を代表するような場所です。1970年にテプラー川を望む土地に、這うようにガラス張りの建物が建っていて、ここには間欠泉があり、地下2500mから1分間に2000リットルの熱湯を12mも噴き上げています。また「トルジニー・コロナーダ」は1883年に建てられた装飾的木造建築の飲用所で、繊細な白いレースのような美しい外観を持っています。ここでカール4世が脚の治療をしたとの言い伝えが残るコロナーダです。カルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）は国際的な温泉地であるので、温泉を満喫しない手はありません。街並みは18世紀から20世紀初頭に色とりどりの装飾的な館が建てられ、美しい景観を現代まで保っており、テプラー川沿いには両岸を望む保養客のための散策用回廊が3つ設けられているので、どこか日本の温泉街にも似た雰囲気の街をゆっくりと歩いて周るのもよいでしょう。温泉の飲用は無料ですが、吸い口の付いた磁器のカップを購入すると、熱い温泉も飲みやすくなります。温泉に入浴する行為はチェコでは医療行為と同等とみなされ、医師の診察を受けて入浴時間などを処方されるようですので、観光客には少し敷居が高いかもしれません。温泉は鉄分が多く、消化器系や肝臓疾患などに効果があるとされます。カルロヴィ・ヴァリ(カロビバリ）の街の伝統産業は陶磁器やボヘミア・ガラスに代表されるガラス製造、地ビール産業などが盛んです。地元の味や器などを楽しむほか、お土産としてもよいのではないでしょうか。そして、街では1946年から国際映画祭「カルロヴィ・ヴァリ映画祭」が開催されており、東欧でも最大級の映画イベントで、1954年から日本も参加しています。さらに、街には「007カジノ・ロワイヤル」の舞台として登場したホテル「グランドホテルプップ」があり、このホテルは1905年から1907年に社交場ホールだった建物をホテルとして改築しました。ノスタルジックな雰囲気をさらに満喫するならば、ぜひホテルに足をのばしてみてください。