オーストリア - インスブルックについて

インスブルックは、オーストリアのチロル州にある街で約29万人の人口で国内５番目の都市です。ウィンタースポーツが盛んな事でも知られており、冬季オリンピックが1964年と1976の2回開催されているので、世界でも良く知られた都市です。標高約574mの山地にあり、中央ヨーロッパに属していることから、大陸性気候に分類されています。冬は、ヨーロッパにある主要都市の中で、冷え込みが厳しく雪が降ります。気温はマイナス12℃くらいまで達することも珍しくありません。凍えそうに寒く、湿度は乾燥しており1年で見ると気温はマイナス６℃からから24℃くらいで推移するのであまり暑くはないですが、冬は厳しい寒さを覚悟しなければなりません。観光に適した季節は、6月下旬から8月下旬が最も温暖になるのです。インスブリックのランドマークは、「黄金の小屋根」とドイツ語で呼ばれる建築物になります。1500年に完成したこの建物の屋根は、2657枚の金箔を貼った銅製のタイルでできており、神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン１世が、ビアンカ・マリア・スフォルツァと結婚したことを記念して建てられたものです。５階建てで様式はゴシック様式になっておりインスブルック市街の象徴的建物になります。クリスマス前の４週間の待降節では、黄金の小屋根の前にクリスマスツリーが立てられ、クリスマスマーケットが開催されます。インスブルックの多くの市民が街角に集まり、バルコニーでは伝統音楽が演奏されることでも有名です。チロル州はワルツの発祥地ということもあり、舞踏会やカーニバルが開催されるので、観光で訪れる人も多い街になります。主要な観光地では、王宮がありますが、同じオーストリアのウィーンの王宮などに比べて規模は小さいですが、内部はチロル地方最大級の天井画を有する大広間リーゼンザールやシャンゼリアがみごとで、華やかさはありませんが見どころがたくさんあることで有名です。王室の肖像画なども見ることができ、ウィーンとは違った趣のあるお城になるのです。「市の塔」と呼ばれる街の中心部にある、高さ57mの塔でここからは足元にインスブルックの街や遠くにチロルの山々を見渡すことができる絶景ポイントになります。14世紀中ごろに旧市庁舎の火の見やぐらで建設されたもので、17世紀に入って時計が設置されました。展望台までの階段は148段もありますので、足腰に自信のある方は挑戦してみることをおすすめします。王宮教会は、インスブルック市内中心部にある観光名所で有名で、ドイツルネッサンスの最高傑作と言われるゴシック様式の教会です。中に入ると荘厳な雰囲気に驚かされ、28体の「黒の男たち」と呼ばれる等身大の青銅像が中央祭壇を取り囲むように置かれています。チロルの英雄の墓もあり、厳かな雰囲気が漂う観光スポットです。マリア・テレジア通りの南に位置する観光スポットが「凱旋門」になります。1765年に建設されたもので、上部の南側に「生と幸福」、北側は「死と悲しみ」を表現したレリーフがおかれています。凱旋門を通りの外側から覗くと、マリア・テレジア通りと聖アンナの記念柱が見え、その向こうのノルトケッテ連峰が美しく見え、インスブルック観光で人気のフォトジェニックスポットになります。「聖アンナの記念柱」は、インスブルック観光には欠かせない場所になり、白い大理石が美しいモニュメントです。柱の上には聖母マリアが、中段には天使、下段には4人聖人が飾られています。聖アンナはドイツの方を向き、その侵入をさせないように防御しているのです。通りの中央に建てられたこのモニュメントと通り沿いのカラフルな街並みは、インスブルックの代表的な観光名所で多くの観光客でにぎわっているのです。ショッピングをすることができる場所でもあり、くつろぎの場として観光客に人気のあるスポットと言えます。旧市街にあるのが「ヘルブリングハウス」と呼ばれ1560年に建設されており、後期バロック建築の最高傑作です。ロココ調のモチーフが印象的で「黄金の小屋根」に近く立ち寄ってみたくなる場所です。インスブルックは、スポーツの街であるとともにヨーロッパの歴史を振り返ることができる建造物がたくさんあります。街並みのカラフルな家の有様を眺めることもでき、自然の山並みとのコントラストが素晴らしい事でも知られているのです。観光名所も歴史を偲ばせるものが多いので、できるだけ多くの場所を訪問することをおすすめします。